てぃーだブログ › よんなーよんなー@青陶舎 ›  ◇やちむん › ◆ 金城次郎さんの器


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5月「楓千夢(読谷・やちむんの里)さん

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2009年12月20日

◆ 金城次郎さんの器

 先日、金城次郎さんの器を見かけた。博物館の展示と、その後気になったので本屋さんの写真集で。自分も焼き物作りに携わろうとする作り手の端くれだから、人間国宝の作品はお手本として、何度も何度も目にしていて、何度も何度も「いいなあ」と確認していたはずなのに、今回、あれあれあれ?とその不思議な力に釘付けになった。
頭の中全てががらりと変わるような衝撃をうけてしまった。

 器を白く仕上げるためにかける化粧土なんか全然白くない。むしろ灰色だ。(自分の作品だとこの白さは不合格ぎりぎりのラインだ。)…厚みもぼってりとしていて超絶技巧の職人技というものでもなさそうだ。(今は薄く、軽く、使い手の良い器が溢れているから、重い器はなかなか買い手が納得してくれないのだけど。)

 …けれども器全体は、限りなく「上手の手」でできている。器のあちこちから魅力が溢れ出てくる。こういうものが欲しかった、こういうものが作りたい、と思わせるこの存在感は何だろう?


 しばらく眺めていてその魅力が次第にはっきりと捉えられるようになった。
 
 器によどみがない。立ち止まらず、かといって、焦って粗雑に走るようなこともない。せっせせっせと、完成に向かってたゆみなく進んでいく時間の跡が、息を凝らした一連の仕事として頼もしく器に印されている。

 器にてらいがない。他人を圧倒し、人から抜きんでて目立とうなどとした作為の跡が微塵もない。自分のできることと、そこにあった方がよいと思われるものを最大限に効果的に形にしようという努力の積み重ねの結果としてそこにある。

 それらは一つの仕事の中だけではなくて、仕事全体がその時間の中にあるからだと思う。毎日をせっせせっせと、完成に向かってたゆみなく進めていき、その時間の産物としてたくさんの器たちが生まれてくるからだと思う。


 自分は今まで「良い焼き物を作ろう」と心がけてきた。でも金城次郎さんの器にはそんな「良い」焼き物を作るというような余計な小賢しさは振り払われている。「焼き物」自体を作る、その思いだけが込められている。焼き物が本来の焼き物であるために、作者がその力を作品に注ぎ込む。そして作者が作品の中に入り込んでしまう。だから、作者自身が器を手に取る人と直接向き合う力、それが器全体に満ちている。


 小手先のアイデアや、見かけの心地よさで他人の好評を買ってお金を引き出そうとするのとは全然格が違っていた。それこそ人間の器が違うというヤツだ。



 うーむ、さて。
 ここから自分はどんな風に次の一歩を進めていこうかな。
 あいかわらず、よんなーよんなーの足取りだとは思いますが、
 今度はちょっと長旅になりそうな気がします。
 


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Posted by 青陶舎 青柳 at 14:32│Comments(3) ◇やちむん
この記事へのコメント
とても真面目に人生を、仕事と向き合ってますね。     次郎さんの壷屋時代1960年代の仕事は、まだ今のような評価は無かったし、いわゆる次郎の世界は出来てなかったけど、大変に魅力的なモノを生み出してました。    寛次郎や、棟方の仕事も自分の世界が出来上がる直前が好きです。   自分の世界が出来ると、それに安住する傾向になるような気がします。     これは僕自身も気をつけねばならない事です。
Posted by けいしゅう at 2009年12月23日 23:36
>けいしゅう さん

あけましておめでとうございます。
お返事年を越してしまいました。
遅くなりまして申し訳ありません。

貴重なお言葉をありがとうございました。
遥か先を進む先輩の経験に裏打ちされた言葉というものは
暗い道の先に灯る明かりのように感じます。

今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 青陶舎青陶舎 at 2010年01月07日 09:46
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